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急増中!子どもの口ぽかんの正体

更新日:2022年3月24日


子どもの口がポカーンと開きっぱなしだと、

口を閉じさせたいなぁと思うことありますよね。


実は最近の研究で

口が開きっぱなしになる「口ポカン」の正体が

わかってきました。


これを読めば、

子どもの口ポカンを治すためのポイントが

わかるようになります。



今回は

現在子どもたちの間で急増中の

「口ポカン」についてわかりやすくまとめました!


目次
1.口ポカンって何?
 ・唇の状態
 ・舌の状態
2.口ポカンの子どもたちが増えている?!
3.口ポカンのデメリット
4.まとめ

口ポカンって何?

普段口をポカーンと開けっぱなしで

子どもがテレビを見たり、ボーッと考え事をしていたり、


という姿を見かけることありませんか?


歯科の世界では、

この口が開けっぱなしの状態を「お口ポカン」と呼びます。

(そのままですが 笑)


一方日常で理想的な口の形は

上唇と下唇がくっついている状態「口ピタ」です。



ではまず「口ポカン」と「口ピタ」は

口の中でどんな違いがあるのでしょうか?


大きな違いは

口の筋肉の使い方です。


実は口のまわり、口の中は

たくさんの筋肉によって作られています↓↓




口ポカンで注目すべき場所は2ヶ所

「唇」と「舌」です。




ではここで質問です。


唇が開いている「口ポカン」の状態と

唇を閉じている「口ピタ」の状態


どちらの方が筋肉的にしんどい動きだと思いますか?


口をポカンと開けたり

唇を閉じたりして


考えてみてください。


正解は…

口を閉じる

です。


普段は無意識にしている唇の動き


実際意識してやってみると

唇を閉じる方が筋肉を使ってる感じがしませんか?


唇を閉じるときは、

口輪筋という唇のまわりの筋肉がフル活動します。


実は唇を閉じるのは

筋肉にとってはとても頑張っている状態なんです。


一方口ポカンで口が開いてるときは

口輪筋はゆるんだ状態です。




「口ポカン」と「口ピタ」の大きな違い2つ目は

舌の位置です。


舌は毎日無意識にいろんな動きをしていますが、

これまた筋肉の塊です。


舌は普段じーっとしているとき

2種類のとどまり方をします。


「のぼりベロ」と「落ちベロ」です。


イラストの

左が「のぼりベロ」

右が「落ちベロ」


舌の筋肉を使うのは、

左の「のぼりベロ」の時。


これが普段何してない時の

正しいベロの位置。


口をピタッと閉じれる人は

舌の筋肉をしっかり使って

「のぼりベロ」の状態で舌がしまわれています。


一方、口がポカンと開いてしまう人は

舌の筋肉がゆるんだ

「落ちベロ」の状態になっています。


つまり、

口ポカンとは

唇と舌の筋肉がゆるんだ口の状態なんです。



口ポカンの子どもたちが増えている?!

実は今、

普段口が開きっぱなしになる口ポカンの子どもたちが

増えてきています。


2021年2月に

新潟大学の研究グループが、

口ポカンに関する全国的な調査の結果を発表しました。


3〜12歳の全国3,399人の子どもたちを調査したところ

口ポカンの子どもたちの割合は


10人中3人


まぁまぁ多いですよね。



出典:子どもの“お口ぽかん”の有病率を明らかに -全国疫学調査からみえた現代の新たな疾病 -プレスリリースより




また、口ポカンの子の割合は

年齢とともに増えていくということもわかりました。




出典:同上



この研究発表の中には

衝撃的な言葉が書かれています。


口ポカンは

「現代の新たな疾病」


えっ、うちの子の口ポカンって病気なの?!


とすごく不安になりますよね。


でも安心してください。


口ポカンを病気と扱うことで

お母さんお父さんに大きなメリットがあるんです。


それは

歯医者さんで口ポカンを治すトレーニングが受けられる

ということです。


自然に治ることは期待しにくい口ポカン。


これまでは特に注目もされず

治す対象ではなかったものが


歯医者さんで治してもらえるものとして

扱われはじめました。


また、

口ポカンは年齢とともに増加していくことから


いかに幼い頃に口ポカン予防をしていけるか

が大切です。


今歯医者界では

口ポカンを幼い頃に治すことの重要性が叫ばれています。


口ポカンのデメリット

子どもが口ポカンをしていると

どんなよくないことが起こるんでしょうか?


全身的にいろいろなデメリットがあるんですが

歯に関しては主に2つです。


✔︎歯並びが悪くなる


代表的なのは

上の前歯が外側に出てくる「出っ歯」です。


なんで口ポカンで出っ歯になるのか。

理由は、前歯を唇が押さえてくれないからです。


ん?どゆこと?


もう少しわかりやすくお話しますね。


実は歯がいつもその場所にいてくれるのは

動いたり倒れたりしないように

支えになる存在がいるからなんです。


それが歯のまわりにある

唇、舌、ほっぺ



イメージ的にはこんな感じ↓↓


真ん中の歯をまわりから

唇ちゃん、舌ちゃん、ほっぺちゃんが手で押さえて支えています。



唇が閉じていると

前歯はみんなに支えてもらっている状態です。



歯は移動せず歯並びも変わりません。



ですが

唇が開きっぱなし(口ポカン)になると

こうなります。


支えるスタッフ唇ちゃんが

いなくなってしまいました。


唇が上の前歯に当たらなくなり

歯の支えが減ります。


すると歯は、残りの3人が押す力によって

支えのなくなった方に倒れていきます。


このようにして

口ポカンは出っ歯の原因になります。



✔︎虫歯になりやすくなる


口が開きっぱなしだと

口の中が乾きやすくなります。


歯は空気に触れて

カピカピの状態。


ツバで湿っている歯は

虫歯になりにくく


カピカピに乾いている歯は

虫歯になりやすいです。


なぜなら、ツバの中には

虫歯になりにくくする成分が入っているからです。


具体的には


・口の中の細菌をやっつける成分

・虫歯菌の攻撃に負けない歯を固くする成分


これらの成分によって

ツバは歯を虫歯から守ってくれます


口を閉じていると

口の中にツバが循環し

歯が常にツバで濡れています。


ですが口ポカンだと

歯のまわりに空気が流れ

歯は常に乾燥状態。


結果ツバの成分が歯に行き渡らず

虫歯になりやすくなってしまいます。


まとめ

 

今回は子どもの口ポカンの正体について

お話しました。


これで口ポカンを治すために必要な

基礎知識は完璧です!


次回は

口ポカンの原因についてご紹介します。













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くすはらゆか

歯科医師/幼児心理アドバイザー

普段は歯科医師として、子どもから大人まで虫歯の治療をしています。出産後、育児の大変さを日々痛感し、この体験を機に子どもの虫歯予防団体「Lovetooth」を起業。子どもの虫歯予防のホントに大切な話や、時短で効果の高い歯のケア法などを発信しています。

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