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今あなたの上下の歯、当たっていませんか?

更新日:2022年1月25日

 こんにちは。

 予防歯科の専門家、楠原佑佳です。 


 

 人間が生活する中で

 上の歯と下の歯が触れ合うタイミングは

  ・食事の時

  ・会話する時

 だけです。


 時間で言うと

 1日24時間のうち、たった20分ほど。















 残りの23時間40分、

 上の歯と下の歯は離れているのが、正常な状態です。


 しかし

 最近増えてきているのが

 1日の中で、

 上の歯と下の歯を

 長時間、カチッと当てたままにしている人です。

 ぐーッと噛み込む強い力ではなく、

 軽く当てているだけの状態です。


 これは癖で

 ”歯牙接触癖(TCH)”

 という正式な名前があります。


 この癖は異常な癖なんです。


 「普段、歯を咬んでいるのが当たり前ではないんですか?」

 こう思ってる人が多いのですが、


 違うんです。

 上と下の歯は、普通は少し離れているものなんです。




 普段何もしていない時に

 自分の上の歯と下の歯がくっついてるかを

 チェックしてみてください。


 くっついてることが多い人は

 この癖があるということです。


”歯牙接触癖”が起こりやすい場面は


 ・下を向いた作業をしている時(読書、パソコン、スマホ)

 ・黙って集中してする作業の時(料理、掃除)

 ・趣味に没頭している時(スポーツ、楽器演奏)


 このように、日常のよくある行動の中で起こりやすいものです。


 だからこそ

 誰でも無意識のうちにしてしまっている可能性が高いのです。


 では

 なぜ長時間、上の歯と下の歯がくっついていることは

 異常なことなのでしょうか?


 上の歯と下の歯がくっついていない時は

 口のまわりの筋肉は

 リラックスしている状態です。

 一方、上の歯と下の歯がくっついている時の

 口のまわりの筋肉の状態はどうでしょうか?

 今、

 自分の顎のエラの部分を3本の指で軽く触れながら

 歯をカチカチ触れさせてみてください。


 エラの部分のお肉が

 ピクピクッと動いたのがわかりましたか?


 このピクピクした動きは

 噛む筋肉(咬筋)が収縮した時の感覚なんです。


 つまり筋肉が仕事をしている状態。


 上の歯と下の歯をくっつけると

 顎の筋肉が瞬間的に収縮し、

 それが長時間になると

 ずーっと筋肉が収縮している、つまりこわばった緊張状態が続きます。


 これを例えると

 スーパーマーケットのすごく重い買い物袋を

 腕にかけて遠い家まで帰るような状態。

 腕の筋肉をフル稼働させて重い袋を持ち上げますが

 帰り道で、腕がプルプルしてきたり(疲労を感じている)、

 だんだん腕が痛くなってきます。

 次の日に、強い筋肉痛が出ることもあります。

 

 このように

 筋肉をずっと使い、こわばらせることは

 体にかなりの負担をかけるのです。


 上の歯と下の歯がくっついて

 筋のこわばりがずっと続くと

 まわりの体の部位に負担がかかってきます。

 顎の関節に負担がかかって、顎に強い痛みを伴う「顎関節症」


 肩や首の筋肉に負担がかかって、慢性的な痛みを伴う「肩こり、首こり」


 などのつらい症状が現れます。



 歯牙接触癖は

 1日中スマホやパソコンなどを触り、

 ストレスフルな社会で生きている

 私たち現代人において、

 かなり多くの人が気づかずにしてしまっている、

 危ない癖なのです。














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くすはらゆか

歯科医師/幼児心理アドバイザー

普段は歯科医師として、子どもから大人まで虫歯の治療をしています。出産後、育児の大変さを日々痛感し、この体験を機に子どもの虫歯予防団体「Lovetooth」を起業。子どもの虫歯予防のホントに大切な話や、時短で効果の高い歯のケア法などを発信しています。

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