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授乳が終わった子どもによく見られる

上の歯で下唇を咬むクセ『咬唇癖』

最初は自然に治るかなぁと思って様子を見ていたけど、

癖が治る気配はない…。

咬んでる姿を見るたびに

「歯並びが悪くなったらどうしよう…」

「早くクセを治したい!!」

と思いますよね。

今回は、

下唇を咬むクセの原因と対処法についてまとめました。

【目次 】

1.『咬唇癖』なんでするの?

2.癖によって歯はどうなる?

3.癖が治りやすい時期

4.癖を治す方法   

5.まとめ

1.『咬唇癖』なんでするの?

 

下唇を上の歯で咬むことが習慣化した『咬唇癖』

原因は、大きくわけて2つです。

 

①歯並び

 

上の前歯が外側に出っ張った歯並びだと

上の歯と下の歯の隙間に下唇が入り込みやすくなります。

入り込んだ下唇を自然と上の歯で咬んで

それが習慣化していきます。

 

 

 

②安心感を得るため

 

おっぱいや哺乳瓶を吸うことは、

子どもにとって精神的にとっても安心できる時間。

でも1歳を過ぎて授乳や哺乳瓶をやめた後は、

もう吸うことで安心を感じることができません。

眠たい時、知らない場所に行った時など、

子どもが不安を感じる場面はまだまだたくさんあります。

不安な時に安心を感じるために

おっぱいを吸う感覚で下唇を吸いはじめ、

それが習慣化することがあります。

2.癖がつづくと、歯はどうなるの?

 

2歳までの『咬唇癖』は、

歯並びに大きく問題はないとされています。

奥歯がまだ生えそろっていなくて、

歯並びが完成していないからです。

3歳を過ぎて癖がつづいてると、

後々の歯並びが悪くなる可能性があります。

どんな歯並びになるのかというと

 

上の前歯が外側に出てくる、

いわゆる「出っ歯」の状態です。

下の前歯も唇の内側に倒れて、

より出っ歯感が強くなることもあります。

3.癖が治りやすい時期

『咬唇癖』と似た癖に、

指しゃぶりがあります。

指しゃぶりは、3歳を過ぎると

なくなっていくことが多いと言われています。

理由は、子どもの社会性が発達してくる時期だから。

赤ちゃんの頃は、お友達と遊ぶよりも1人あそびが多いですよね。

まだ社会性が未熟な時期だからです。

3歳を過ぎると幼稚園や保育園で

友だちと関わって遊ぶようになります。

 

社会性が発達すると

指しゃぶりは自然になくなっていくことが多いと

言われています。

『咬唇癖』も

3歳を過ぎてお友達と関わって遊ぶようになり始める時期に

変化が現れるかもしれません。

4.癖をとる方法

『咬唇癖』を早くとるためにできることは

お子さんの年齢で変わってきます。

成長とともに脳も発達し、

理解できる内容が変わってくるからです。

 

お子さんの年齢に合わせた

『咬唇癖』をとるためにできることを

  

・3歳

・4歳以上

 

にわけてご紹介します。

 

【3歳】

✔︎不安そうな時に安心を与える

  

子どもが不安になる時に、

『咬唇癖』は出やすいです。

 

眠たい時、

初めての場所に行った時、

知らない人と会った時。

その時に

「唇咬んだらダメよ!」

と注意すると、

 

子どもが隠れてするようになる場合もあります。

  

3歳はまだ言葉の理解が未熟なため、

なぜ唇を噛んだらダメなのかがよくわかっていません。

「なんでママやパパは怒るの?」

そのストレスからますます癖が悪化する場合もあるようです。

また、アドラー心理学で

【負の注目】という言葉があります。

怒られることで悲しいと感じる一方で、

親に関心を示してもらったと感じ

親の気を引くために怒られることを

ずっとやり続けてしまうことです。

そうなると、どんどん癖が治せなくなってしまいます。

不安になって唇を咬むのであれば、

不安そうな時に安心を与えてあげましょう。

  

  

例えば、

眠たそうな時に唇を噛んでいたら、

体に優しく触れてあげる。

知らない場所に行って唇を噛んでいたら、

コチョコチョして笑わせて緊張をといてあげる。

子どもが不安を感じた時に

唇を咬む以外のことで不安を解消できた経験を積んでいきましょう。

 

✔︎幼稚園、保育園の先生に様子を聞く

  

3歳は子どもの社会性が育ちはじめる時期。

お友だちと関わって遊ぶ経験を

幼稚園や保育園で積むことで、

癖が自然となくなっていく可能性があります。

幼稚園・保育園の先生に、

  

・集団生活でどのような遊び方をしているのか

・唇を咬む頻度に変化はあるのか

など聞いておくといいかと思います。

✔︎臨床心理士さんにアドバイスをもらう

臨床心理士というお仕事をご存知ですか?

実は子どもの成長発達をサポートしてくれる

お母さんお父さんのとっても心強い味方なんです。

臨床心理士と聞いても

どんなお仕事か、イメージできないですよね。

  

一言でいうと、「心の専門家」です。

人の心の発達をよく知っていて、

その時期の子どもには

どのような声かけや接し方が

子どもの成長にとってプラスになるかを

教えてくれます。

臨床心理士さんは

住んでいる自治体の子育て支援センターや、

幼稚園・保育園にいらっしゃる場合もあります。

ちなみに

私の娘の幼稚園では、

キンダーカウンセリングと言って

月1回、臨床心理士さんによる

子どもの悩み個別相談会があります。

『咬唇癖』をとっていくためにできることを

一緒に考えてサポートしてくれる強い味方です。

 

【4歳以降】

  

子どもは社会性の発達が進み、

メタ認知という力が育ち始めます。

 

自分を客観的に見ることができたり、

人の気持ちを想像することができるようになる高度な力です。

コミュニケーション能力も育ち、

先の見通しも少しずつ立てれるようになります。

『咬唇癖』がある自分を客観的に捉えたり、

なぜ唇を咬むとよくないのかを理解できるようになる時期です。

✔︎子どもと癖について話す

 

癖を治すためには、子どもが

「なぜ癖を治さないといけないのか」を理解する必要があります。

癖について子どもにわかりやすく話してみましょう。

  

子どもが自ら「癖を治したい!」と思ってくれると

一緒に協力して進めることができます。

話すときのポイントは、

短くわかりやすく話すこと。

〈会話例〉

親「〇〇ちゃん、こうやって唇を咬んでる時があるのね」

 

(実際親が子どもに見せる)

親「4歳5歳になってずっと唇を咬んでると、今のかわいい歯が

   ガタガタした変な形の歯になっちゃうの」

 

親「〇〇ちゃんは、大きくなったらどっちの歯になりたい?」

子「かわいい歯がいい!」

親「じゃあこれから一緒に唇かまないように練習してみようか!

そうしたら、プリキュアみたいなかわいい歯が育っていくからね」

一緒に少しずつ練習していけばいい状態になるんだ

 

子どもに癖をとっていくことに

プラスのイメージを持たせてあげましょう。

 

✔︎普通にしてる時にこまめに褒める

 

「してほしくないこと」を子どもがすると、

そのことばかりに意識が向いてしまいますよね。

下唇を噛んでたら、

その場面ばかりが目について注意してしまう。

逆に、唇を咬んでいない時に

注目するようにしてみてください。

そして唇を咬んでいないことを

こまめに褒めてあげてください。

「あっ、いま唇咬んでないね!かわいい歯になるよ〜ステキ!」

注目を逆にするこの声かけは

最初はかなり意識しないと言うタイミングに気付けません。

 

慣れてくると唇を咬んでいない場面に

自然と注目できるようになり

声かけもできるようになってきます。

子どもも褒められることで

咬まないようにもっとがんばろうと前向きになれます。

 

✔︎臨床心理士さんからアドバイスをもらう

 

3歳の時と同じように、

臨床心理士さんに今の状況を報告し

癖をとるためのアプローチを一緒に考え

アドバイスをもらいましょう。

子育てを親だけでするなんてしんどすぎます。

子どもの発達や保育の専門家のアドバイスを受けるだけで

子どもへの接し方がわかり親子がとても楽になります。

自治体の子育て支援センターや、幼稚園・保育園で、

臨床心理士さんにぜひ相談してみてください。

 

✔︎矯正の歯医者さんに相談する

 

4歳を過ぎて歯並びに変化が出てきはじめたら、

子どもの矯正治療を受けられる歯医者さんを受診してみましょう。

 

癖をとるための装置を使用したり、

口まわりの筋肉トレーニングを行うことで

歯並びと『咬唇癖』の改善をしていきます。

どこの歯医者さんにいけばいいかわからない場合は、

 

かかりつけの歯医者さんで

「歯並びと癖を改善する治療を受けたい」

と質問してみましょう。

矯正治療を受けられる歯医者さんを

紹介してもらえると思います。

 

5.まとめ 

 

今回は下唇を噛む癖の原因と対処法について

お話しました。

習慣化したクセは、

1日ですぐに治ることはありません。

 

 

でも、子どもの発達段階に合わせて

正しくアプローチしていけば必ず改善します。

どうか1人で頑張らないでくださいね。

 

発達の専門家(臨床心理士さん)に力を借りて

声かけやアプローチの仕方のアドバイスをもらいましょう。

それだけでも、

親が子どもの癖に対して

寛容に捉えることができるようになります。

 

親子に笑顔の時間が増えます。

 

子どもの育ちを信じて、

今できることからぜひ始めてみてください。

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